User-ID 機能を使用すると、自社で生成したユーザー ID を個々のユーザーに関連付けることができるため、さまざまなセッション、デバイス、プラットフォームをまたいで各ユーザーの行動を把握できます。アナリティクスでは、ユーザー ID によって個々のユーザーを判別するため、ユーザー数をより正確にカウントし、ユーザーとお客様のビジネス関係を包括的に捉えることができます。
始める前に
ユーザー ID をアナリティクスに送信するには、各ユーザーに自社で作成した一意の ID を割り当て、その後も同じユーザーには同じ ID を一貫して割り当て続ける必要があります。これは通常、ログイン中に行われます。たとえば、ユーザーがログインしたときに、そのユーザーのメールアドレスを使って一意の ID を生成すれば、自社のウェブサイトやアプリ内ではその後も同じユーザーに対して同じ ID を参照できます。各ユーザー ID は 256 文字未満で指定する必要があります。
GA4 でユーザーごとに一意のユーザー ID が割り当てられていることを確認してください。同じ ID を複数のユーザーに割り当てると、データスキューが生じ、実際のユーザー アクションが区別しにくくなります。
例
太郎さんと花子さんという 2 人のユーザーがいるとします。誤って、二人に同じユーザー ID(UserID123)を割り当ててしまいました。
ユーザー アクション:
- 太郎さんがノートパソコンでログインして、ウェブサイトを閲覧しています。太郎さんは商品 A を閲覧してカートに追加しました。
- 後で、花子さんが同じユーザー ID(UserID123)を使用してスマートフォンでログインしました。花子さんは商品 B を閲覧して購入しました。
GA4 では、1 人のユーザー(UserID123)が商品 A と B を閲覧して、1 点のみ購入したことを確認できます。実際はユーザーが 2 人いるにもかかわらず、2 人の閲覧データを多様な興味を持つ 1 人のユーザーのデータと誤って解釈してしまう恐れがあります。
ユーザー ID を送信する
ユーザー ID の送信方法については、ユーザー ID を送信するをご覧ください。
レポート用識別子を確認する
プロパティで、User-ID オプションを含むレポート用識別子が使用されていることを確認します。手順は次のとおりです。
- [管理] の [データの表示] で、[レポート用識別子] をクリックします。
- 次のいずれかを選択します。
- ハイブリッド: ユーザー ID、デバイス ID、モデル化データを評価します
- 計測データ: ユーザー ID、デバイス ID を評価します
- [保存] をクリックします。
User-ID でできること
ログインしているユーザーとログインしていないユーザーを比較する
ログインしているユーザーとログインしていないユーザーの行動を比較するには、「ユーザー ID でログイン中」ディメンションを使用して比較を作成し、ディメンションの値を「はい」に設定します。
ユーザーデータ探索
ユーザーデータ探索では、既存のセグメントを構成するユーザーや、他のデータ探索手法の使用により生成された一時的なセグメントを構成するユーザーが表示されます。リストをドリルダウンすると、個々のユーザーに関する詳しい情報(そのユーザーを獲得した方法と時期、そのユーザーのサマリー指標、サイトやアプリでのユーザー行動のタイムラインなど)を確認できます。
User-ID データに基づいてリマーケティング オーディエンスを作成する
ユーザー ID に基づいてリマーケティング オーディエンスを作成できます。Google アナリティクスと Google 広告のアカウントをリンクしている場合、作成したオーディエンスは Google 広告の共有ライブラリからも利用できます。
- User-ID を使用している場合、Google アナリティクスが出力する情報に含まれるのは、各ログイン済みユーザーと最後に関連付けられたデバイスのデバイス ID とユーザー ID のみです。
- User-ID を使用していない場合、アナリティクスから Google 広告にエクスポートされるオーディエンス情報には、すべてのデバイス ID とユーザー ID が含まれます。
User-ID の収集が不完全なセッションの扱い
ユーザーはサイトやアプリで、ログイン前やログアウト後にイベントを発生させることがあります。ログイン前に発生したイベントは、その後ユーザーがログインすれば、セッション ID を介してログイン時のユーザー ID と関連付けられます。ログアウト後に発生したイベントは、ユーザー ID と関連付けられることはありません。ユーザーがログアウトした時点で、イベントとユーザー ID との関連付けは停止します。
たとえば、ユーザーがユーザー ID との関連付けがない状態でセッションを開始し、イベント 1 とイベント 2 を発生させたとします。この時点では、これらのイベントにユーザー ID は関連付けられていません。次に、ユーザーがログインしたうえで、イベント 3 を発生させたとします。この時点で、イベント 1~3 がすべてそのユーザーの ID と関連付けられます。最後に、ユーザーがログアウトした後でイベント 4 を発生させたとします。イベント 4 にはユーザー ID が関連付けられません。イベント 1~3 はそのユーザーに関連付けられたままとなります。
- undefined: ヒットは user_id としてログに記録されないため、ヒットにはユーザー ID が送信されません。また、ユーザー ID をまったく設定しなかった場合も同様です。
- null: 空または未設定のユーザー ID 値がヒットで送信されます。安定した user_id を持たない「ログアウト済み」ユーザーと見な��れます。
- 空の文字列(""): null と同じです。
その他の値はすべて一意のユーザー ID として解釈され、そのように送信されます。これには、上記の JavaScript 値とは異なる文字列「undefined」と「null」も含まれます。
制限事項
- User-ID は Google アナリティクス用に構築された機能です。この機能を実装する場合は、必ずアナリティクス SDK と User-ID 機能に関するポリシーに準拠する必要があります。
- Google アナリティクスに送信するユーザー ID は 256 文字未満で指定する必要があります。
- User-ID 機能を実装する前に収集、記録されたアナリティクス アカウントのデータを再処理してユーザー ID に関連付けることはできません。
- あるプロパティで収集された User-ID データを、別のプロパティのデータと共有したり統合したりすることはできません。