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導入事例

カシオ計算機株式会社

「コスト、稼動品質、そして拡張性や機能面で Google Workspace は他を圧倒。しかも 5000 人分を 2 週間で導入できました!」

常務取締役 国吉 典仁さん
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日本有数の精密電子機器メーカー。 1957 年に電気式計算機メーカーとして創業後、今日では製品分野はデジタルカメラ、時計、電子辞書、電子楽器、電卓、電子文具、電子レジスター、プロジェクター、ハンディターミナル、ページプリンタ、オフィス・コンピュータなどと多岐にわたる。経営理念は、それまでにない斬新な働きを持った製品を提供することで、社会貢献を実現するという意味の「創造 貢献」。

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「コスト、稼動品質、そして拡張性や機能面で Google Workspace は他を圧倒。しかも 5000 人分を 2 週間で導入できました!」

常務取締役 国吉 典仁さん

以前利用していた製品は品質に問題が

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デジタルカメラ「 EXILIM 」や、デジタル腕時計の「 G-SHOCK 」など、ユニークで優れた機能を持つ身近な電子機器メーカーとしておなじみのカシオ計算機。同社は、2011 年 4 月、Google Workspace を約 5000 アカウント導入した。

それまでは、2005 年に導入したあるグループウェア製品を利用していたが、品質面で大きな問題があったという。

「よくストップしました。そのメーカーが5年前に導入した時は『これから世界で伸ばしていく』との触れ込みでしたが、シェアを取ることができず事業を縮小する方向となったようです。そのためか、新機能などが追加されない、パッチも十分に提供されないといった状況にありました。したがって、今後も品質向上や拡張性、スマートフォンへの対応も望めませんでした」と、カシオグループ各社の情報システムの保守・運用を手がけるカシオ情報サービス常務取締役の国吉 典仁さんは言う。

ほかにも問題があった。そのグループウェアへのリプレイスには、当時、海外のグループ会社や事業部ごとにバラバラに導入されていたグループウェアを統一する目的もあった。しかし、使い勝手が良くないために切り替えを強制できず、結局以前からの製品を使い続けることを認める形になってしまっていたのだ。また、同社では社員にノートパソ���ンを供給し、申請制で社外への持ち出しも許可するため、セキュリティ上 IMAP を導入しメールは端末のハードディスクにダウンロードせずに見られる設定にしていた。しかしながら、サーバーのメールボックス容量が 1 GB しかなかったため、人によってはハードディスクへの保存も認めざるを得なかったという。さらに、この容量では、頻繁に古いメールを削除しなければならない手間もかかっていた。

3 製品を大きく 3 要素で比較検討

「ならば、ちょうど 5 年使ったので、もう新しい製品にリプレイスしようという話になりました」とカシオ情報サービス IT 基盤グループの野村 宏之さんは言う。

新たなグループウェア選定の条件は、大きく次の 3 項目が挙げられた。(1)コストが大幅に削減できること、(2) 運用負荷を増やすことなく、従来以上に稼働率を高められること、(3) 動画や写真の共有もできるなど情報共有の拡大が図れること、スマートフォンなどマルチデバイスにも対応し利便性が高められること、カシオグループ全体に利用拡大できる拡張性と多言語対応ができること、低コストでもメール保管容量を増やせること、そして、どの端末でもメールが見られるよう、メーラー不要でブラウザ上でも快適に動作できること、といった機能の充実度である。

国吉さんらは、主要ベンダー3社の製品を比較検討。うち 1 製品は Google Workspace である。ほかの 2 社は、クラウド型の製品もリリースされてはいたが、2010 年 10 月の当時ではまだ品質面でオンプレミス型に劣っていたため、この段階ではオンプレミス型を検討した。

「今後利用したい」でも Google Workspace はダントツ

写真や動画の共有も容易で、60 種類以上のアプリモジュールを利用することができます。また、メールボックスが 1 人 25 GB と桁違いの大容量であり、ブラウザ上でもサクサク稼動します。

比較検討の結果、すべての項目で Google Workspace の優位性が確認された。

まず、コスト面。オンプレミス型の他の 2 製品に対し、Google Workspace は障害対応やキャパシティ管理などの運用負荷はゼロ。約 30 % のコスト削減が可能になる。「 SaaS 型であるため、ハードウェアやソフトウェアを自社で構築・運用・監視・保守する必要がなく、有形無形の物的・人的コストをカットできるのは大きい」と国吉さんは評価する。

稼動品質においては、オンプレミスの 2 製品は自社構築のため安定稼動まで多少の時間がかかるのに対し、Google Workspace は Google により 99.9 %(実績は 99.99 %)の稼働率が保証されている。

機能の充実度・拡張性においては、ほかの2製品は頻繁に使用するアプリケーションとの相性が良かったり、重要な機能が標準装備されているといった特長もあったが、Google Workspace はそれらを大きく上回った。

「写真や動画の共有も容易で、60 種類以上のアプリモジュールを利用することができます。また、メールボックスが 1 人 25 GB と桁違いの大容量であり、ブラウザ上でもサクサク稼動します。さらに、増員時の対応も容易なのが管理側にとっては魅力でしたね」(国吉さん)

このほか、モバイルでの利用面では 3 製品とも大差なく適合していることがわかったが、将来性においてはまた Google Workspace の評価が他を圧倒した。 「 ITR 社によるコミュニケーションツールの導入状況調査によると、2010 年 2 月時点で Google Workspace を利用している企業や学校は 2.3 % と少数派でしたが、『今後利用したい』ものとしては 26.5 % と圧倒的でした( 2 位は『自社開発システム』の13.2 % )。これも大きな選定要因になりましたね」と野村さんは振り返る。

計画停電で導入を前倒し

ほぼ Google Workspace に決まりかけていた時に、東日本大震災が発生。これで選定が決定した。その理由は「計画停電」にあった。

「以前利用していたシステムのサーバーはカシオの羽村事業所内に設置していましたが、その一帯が計画停電の対象となったのです。Google Workspace へのリプレイスは、9 月末までに準備をして 10 月から、と考えていましたが、メールが使えなくなる事態は今や 1 分 1 秒も許されません。SaaS 型の Google Workspace ならば一番早く導入できるはずと、前倒して導入することに決めました」(国吉さん)

3 月末に最終承認を取り、4 月 10 日には使える状態にした。「以前からのシステムと並行させ、いつメールサーバーが停電で使えなくなってもひとまず Google がある、という状態にした」と野村さん。その後、ネットワークの負荷対応など本切り替え準備を行い、計画どおり 10 月に完全にリプレイスされた。

ところで、最終承認取りの際に、一部から社外のサーバーを利用することに対し、セキュリティ面を懸念する声が上がった。これに対しては、Google は(1)世界で最も厳しいといわれているセキュリティ監査基準を取得済みであること、(2)データを 64 MB(将来は 1 MB )単位に分割し、2 つのコピーと合わせて多重化して分散保管の上、さらに同じものを別の地域のデータセンターに保管し冗長化していること、(3)ネットワーク上は暗号化してデータをやりとりしていること、といった厳重な対策を講じている上に、自社でシングルサインオンの認証システムを導入し、許可されていないユーザーが社外からアクセスできないようにする措���を説明し、理解されたという。

ビデオチャットルームで海外出張いらず

Google カレンダー はマウスでドラッグするだけで予定入力できたり、複数人の予定が一画面で直感的に見えるので会議を召集するのに便利、と以前の製品に比べて大幅に使い勝手が向上したと評価されています。

Google Workspace 導入後は、国吉さんらの予想どおり「以前は遅くて使えなかったアプリケーションがサクサク使える」「以前はメーラーがインストールされている自分の PC を持ち歩く必要があったが、ブラウザさえあればどの端末でもメールが見られるので、持ち歩く必要がなくなった」といった好評の声が寄せられているという。

「 Google カレンダー はマウスでドラッグするだけで予定入力できたり、複数人の予定が一画面で直感的に見えるので会議を召集するのに便利、と以前の製品に比べて大幅に使い勝手が向上したと評価されています。今後は、Google ドキュメントの活用と Google+ のビデオチャットルームを海外拠点とのコミュニケーションに活用し、出張しなくても済むような環境もつくりたいと考えています」と国吉さんは結んだ。

※ Google Workspace は、2020年10月6日以前は G Suite として知られていました。